イリノイ州パロスパークに住む17歳のミア・ナルシソにとって、ライオンズクラブとは常に 祖父のトーマス・“トム”・ポストと同義語でした。その祖父は家族とアメリカンフットボールをこよなく愛した人でしたが、 人助けをすることも、その2つと同じぐらい大事にしていたので、皆から「パパ」と呼ばれていました。
ミアはそんな祖父のことを振り返り、次のように話します。「あんなに人に親切にする人を、私はほかに知りません。知り合いだろうが初対面だろうが、そんなことを気にする人ではありませんでした。親切にした見返りを当てにするようなこともありません。祖父は根っからそういう性分だったのです」。

導きの力
シカゴ南西部郊外の小さな町で育ったミアの最も古い思い出は、祖父と一緒にパロス・ライオンズクラブのイベントに参加したり、奉仕事業を手伝ったりしたことです。彼女とその家族は、キャンディ・デーの楽しさと、クリスマス・ツリー・セールのトウヒやモミの木の香りを懐かしく思っています。
ミアは小さい頃から、ライオンズの活動は大事なことだと認識していました。ライオンズ会員と幼い頃から一緒に過ごしていたことが元で、地域社会などに対する責任感が自分の中に芽生えたのだと、彼女は考えています。「私はいつもライオンズの模範的な奉仕と献身を手本にしています。それを指針として、本当に頼りにしてきたのです」と、彼女は明かします。

最近の若者は地域社会との関わりを持ちたがらないと思われているようですが、それは偏見でしょう。そこで私たちのクラブの成功は、私たちがどれだけ貢献したいと思っているか、そして機会が与えられれば、私たちは私たちなりに何かができるということを示していると思います。
トムは、低中所得国の人々に眼鏡を収集・配布する「ライオンズ眼鏡リサイクル」プログラムに特に熱心でした。ライオンズ会員としての35年間ずっと、ミアの祖父であるトムは眼鏡を運ぶ活動を続けました。その数は何十万本にもなるとミアは推定しています。リサイクル・センターまで運ぶ前に1本ずつ丁寧に洗浄し、梱包していた姿を覚えています。祖父は行く先々の回収場所でパートナーたちに愛され、よく声をかけられていました。そこで誰かと行き会うと、必ず足を止めて、少しの間だけでもおしゃべりに興じていました。
幼い頃、ミアと妹はこうした祖父のお出かけについて行くのが楽しみでした。そして後年、トムが体調を崩しがちになると、彼女たち(当時は自動車免許を取ったばかりの初心者ドライバー)は喜んで運転を手伝いました。このことについて、姉妹2人の母親であるジーナ・ナルシソは、次のように説明します。「これは、ミアとベラが高速道路での運転を練習するためだけでなく、父と車の中で1対1の時間を持つという良い奉仕をする機会だと考えました」。
何年も前からミアとベラは、おじいちゃんのようなライオンズになりたいと思っていました。また、兄弟のチャンスとインディも、同じ気持ちでした。「だから子どもたちはいつも私に、『パパみたいになるにはどうすればいいの』と訊いてきました」、とジーナは話します。しかしその頃のジーナは、10代の若者を対象としたライオンズの組織が存在することを知らなかったのです。
綿々と受け継がれる家族のレガシー
2023年11月にトムは他界し、家族全員がそれを機に、彼の奉仕と親切のレガシーを受け継ぐことを決意しました。感動的な追悼式が行われて、多くのライオンズ会員がトムの功績を称え、ジーナと3人の兄弟はパロス・ライオンズクラブに入会しました。
このときミアは、自分も入会するという決意を固めました。「母や叔父や叔母がライオンズに入会するのを見て、 パパが私のことを誇りに思ってくれるような形で、私も地域社会に恩返しをしたいと思いました」と、ミアは語ります。そこからミアは調べ始めて、地元のライオンズクラブがスポンサーとなっている、レオクラブという組織があることを知りました。レオクラブには12歳から入会できるのです。
優等生だったミアはすぐにパロス・レオクラブの設立に取りかかり、このクラブは急速に会員数を伸ばしました。 2024年8月に結成されて以来、(ミアの兄弟姉妹を含めて)地元の6つの学校の生徒30人以上が会員となっています。現在同クラブの会長を務めるミアは、この活動を広めるのに役立ったのは、地元の報道機関やソーシャルメディアへの働きかけと、図書館で毎週開催される、活発なミーティングだと話します。
しかし何よりも、同クラブが設立当初から成功している理由は、若者の間で見過ごされがちな「恩返しをしたい」という切実な願望のおかげだとミアは説明します。
「最近の若者は地域社会との関わりを持ちたがらないと思われているようですが、それは偏見でしょう」と、彼女は主張します。「そこで私たちのクラブの成功は、私たちがどれだけ貢献したいと思っているか、そして機会が与えられれば、私たちは私たちなりに何かができるということを示していると思います。仲間との交流は本当に素晴らしいものです」。
明るい未来
パロスのレオクラブはまだ設立されて間もないものの、スポンサー・ライオンズクラブの活動を支援しながら、独自の目標を確立し、目覚ましい発展を遂げています。ミアは、レオとライオンズが協力し、互いに学び合う様子を高く評価しています。お互いに、相手のクラブに対する尊敬の念を抱いているのです。

「ミアは素晴らしいリーダーです。彼女は非常に意欲的で、奉仕の精神を共有する会員を次々と勧誘しました」と話すのは、元クラブ会長で長年のパロス・ライオンズクラブ会員でもあるハーブ・シューマンです。「地域に根ざしたレオクラブを設立しましたし、公立学校からも私立学校からも勧誘しようと提案し、それを実行したというのは、非常に良いアイデアでした。パロス・ライオンズクラブは75周年を迎えましたが、私たちの未来は明るいと思います」。
ミアは、彼女がリーダーを務めるレオクラブと彼女自身の将来について、大きな野望を抱いています。クラブの短期計画としては、 高齢者にデジタル機器の使い方を教えてあげること、子どもたちのために中古のスポーツ用品を集めること、食料品や衣料品を寄付することなどを考えています。ゆくゆくは近隣や遠方の他のレオクラブと連携し、その影響力を強化したいとミアは考えています。
「ミアは昔からずっと他人のことを深く考える、思いやりのある子でした」と、 ジーナは振り返ります。「あの子は今、本領を発揮しつつあり、大学進学も考えています。あの子はおそらく、 こういうアドボカシー活動こそ自分の生きる道だと思っているのでしょう。私は娘を誇りに思いますし、きっと私の父もそうでしょう」。
レオに関する詳細はlionsclubs.org/ja/leos をご覧ください。
ステファニー・フォクセンは、ライオン誌の寄稿ライターです。