ホーム The Lions Blog ぼやけた視界から明るい未来へ:コリーンの診断への道
奉仕の基盤

ぼやけた視界から明るい未来へ:コリーンの診断への道

Dr. Roheena M. Malik 2025 年 11 月 24 日
2025年ニュージャージー州スペシャルオリンピックス大会で行われるスペシャルオリンピックス・ライオンズクラブ国際財団オープニングアイズ®スクリーニングで、コリーン・シエクラ(右)の視力検査を行うロヒーナ・マリク医師(左)。

スペシャルオリンピックス・ニュージャージーのコリーン・シエクラ選手が目のかゆみ、乾き、ぼやけ、複視などの症状に悩まされるようになったのは2024年2月のことでした。読書、スポーツ、テレビ鑑賞や趣味といった日常の楽しみは、次第に疲れと負担に変わっていきました。

視力を回復させることは、単に物が見えるようになるだけでなく、その人の人生のあらゆる面、つまり趣味、仕事、人間関係、そして地域社会での活躍の場を広げることに繋がるのです。

コリーンは何度も診察を受け、この症状の原因を特定しようとしましたが、ほとんどの診察では納得のいく説明も改善も得られませんでした。多くの医師は、彼女の症状をアレルギーや軽微な不調と捉え、根本的な原因や対処法を示すことはありませんでした。コリーンは当時をこう振り返ります。「3回目の処方薬を飲んでいた頃、医師に電話して言ったんです。『この薬、効いていません。視力は悪化しているし、二重に見えることもあれば、眼が痛むこともある。もう読書もできません』と。それでも返ってくる言葉はいつも同じでした。」

しかし2024年6月、スペシャルオリンピックス・ニュージャージーの夏季大会に出場したコリーンが、スペシャルオリンピックス・ヘルシー・アスリート®の視力ケア事業である「スペシャルオリンピックス・ライオンズクラブ国際財団オープニングアイズ®」に参加したことで状況は一変します。オープニングアイズは、知的障害や発達障害のあるアスリートや市民を対象に、散瞳なしの視力検査、眼の健康チェック、処方眼鏡の提供、そして健康教育を無料で行う支援プログラムです。

検査会場で、コリーンはこれまでの経緯を伝えました。しかし、今回の反応は違いました。医師やボランティアたちは真剣に耳を傾けると、すぐに目の検査を行い、注意深く観察を行った結果、彼女のまぶたの下垂、両目のズレ、そして身体の仕草から、これは単なる炎症や疲れではないと判断したのです。

スペシャルオリンピックス・ニュージャージーの臨床ディレクターであり検眼士でもあるロヒーナ・マリク医師は、こう語ります。「コリーンは症状を訴えながらも、それが自分の思い過ごしや妄想ではないか不安そうでした。しかし症状は確かに存在しており、検査中にもそれは明らかでした。そこで専門医への紹介を決定しました。」

その後、地域の神経眼科医への紹介を受け、さまざまな検査が実施された結果、ついに正式な診断が下されました。コリーンが患っていたのは、眼筋型重症筋無力症という、まぶたや眼球を動かす筋肉に障害を起こす希少な自己免疫性疾患でした。まぶたの重だるさや二重視にようやく医学的な説明がつき、日々の暮らしを妨げていた謎が解けたのです。

適切な治療を受けることで、彼女は症状の改善を実感できるようになりました。ぼやけたり二重に見える症状は我慢できる程度に改善され、不快感や痛みもなくなり、「ようやく自分らしさを取り戻せました」とコリーンは語ります。「オープニングアイズのプログラムに本当に感謝しています。私の話に耳を傾け、私を信じ、私にとって最善の治療を受けられるよう助けてくれました。今では、また好きなことができるようになりました。」

コリーンにとってこの変化は、単なる視力回復以上の意味がありました。趣味を楽しみ、仲間とスポーツをし、地域社会の一員として再び積極的に関われる自信を取り戻したこと。そして「自分の感じていたことは本当だった」と証明され、目の悩みを一人で抱えなくてもいいという安心感を得られたことは、かけがえのないものでした。

「視力は命」

コリーンの体験は、他の多くのスペシャルオリンピックス・アスリートにも共通するものです。だからこそ、オープニングアイズのようなプログラムが必要不可欠なのです。実際、同プログラムによる視力検査では、米国のスペシャルオリンピックス・アスリートのうち、約20%が眼の健康に異常が見られ、68%が新たな処方や眼鏡の交換を必要としているという結果が出ています。

オープニングアイズは、アスリートに無料の健康診断を提供すると同時に、尊厳と希望を育てることで、医療の格差を埋めるために役立っています。マリク医師は言います。「視力は命です。視力を回復させることは、単に物が見えるようになるだけでなく、その人の人生のあらゆる面、つまり趣味、仕事、人間関係、そして地域社会での活躍の場を広げることに繋がるのです。」

全体像を見る

世界視力デーを記念して紹介されたこのコリーンの体験は、次の事実を私たちに教えてくれます。目の健康は贅沢ではなく、誰もが持つべき当然のもの。視力は、社会参画、自立、人生の喜びを実現する上で、極めて重要な役割を果たします。

知的・発達障害を持つ人にとって、適切なケアにアクセスできるかどうかは、見えづらさと闘う日々を過ごすのか、人生にしっかり取り組めるのかを分ける大きな要因となります。スペシャルオリンピックスでは「私たちが誰かではなく、私たちが何をするかが重要」というメッセージを掲げています。

その精神を体現したのが、コリーンの物語です。負けない姿勢、希望、ケアによる回復を経て、コリーンは自分の声に耳を傾け、理解してもらうことを体験しました。そして今、コリーンは単に「見える」ようになっただけでなく、世界の美しさそのものを再び感じ取れるようになったのです。再びピントのあった世界で、コリーンの元に、日常の喜びが帰ってきました。


ロヒーナ M. 、マリク博士は、ニュージャージー州スペシャルオリンピックスの臨床所長であり、検眼医。眼病、屈折矯正手術、眼科手術の居住訓練を受け、視力保護医を務め、システムのアドボカシーと株式投資を行っています。