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課題に立ち向かう:河川盲目症との闘い

Bill Hatzos 2019 年 05 月 14 日

世界全人口の40パーセントが、水不足に悩まされています。それなのになぜ豊かに流れる河川のそばの肥沃な土地や家を捨てていかねばならないのかは、理解しがたいことです。けれども、そうしなければならない人々がいます。それも、正当な理由があってのことです。

糸状虫症です。

河川盲目症という名前で最も知られている糸状虫症(オンコセルカ症)は、感染した黒バエに噛まれることによって引き起こされる、苦しい病気です。その黒バエは流れの速い河川のそばで繁殖します。激しいかゆみ、発疹、皮膚の変色、失明に至る可能性のある目の病気、などが主な症状です。しかし、苦しいのは個々の患者だけではありません。

世界で最も貧しい地域の中には、ただ病気の感染を回避するためだけに、大勢の人々が河川のそばの土地、家、そこで営んできた生活を捨てる選択をしたことから、地域内で経済生産性が大きく損なわれた村落が多発する事態に至ったところもあります。

深刻な視力の危機
世界保健機関は、次のような厳しい数を推定しています。

  • 少なくとも2,500万人が河川盲目症に感染しており、1億2,300万人が感染の危険のある地域に居住している。
  • 黒バエが媒介したこの寄生虫のために、約30万人が失明しており、80万人が視力障碍を発症している。
  • 感染者のほぼ99パーセントがアフリカに居住している。

LCIFは我々の交付金により2億9,300万件のメクザチンによる治療(うち2億1,800万件はTCCとのパートナーシップを通じて)を行いました

視力ファーストの活動
河川盲目症は老若男女を問わず誰にでも感染しやすい病気で、患者は激しいかゆみ、痛み、皮膚の変色などの症状に苦しみます。親が視力を失うと、子供たちを養う生活力まで失ってしまいます。子供たちは学校で落ち着いて勉強することができなくなります。予防可能な失明の最前線に立ち、ライオンズは時期を見極めて患者に介入し、患者に必要な支援を行います。ニーズがあるところに、ライオンズがいます。

1993年以来、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)ではメクチザンの配布を支援し、すでに4,480万米ドルを拠出して、アフリカおよび中南米の15カ国で約2億9,300万人に河川盲目症の治療薬であるメクチザンを配布しています。視力ファーストでは、この医薬品を配布するために100万人を超える地域ボランティアのトレーニングを支援しました。アフリカのオンコセルカ症抑制プログラムや米国大陸のオンコセルカ症撲滅プログラムとの共同作業を進めるなど、公衆衛生の深刻な問題である河川失明症を根絶するにはLCIFパートナーシップは重要です。

LCIFが初めてカメルーンにおけるオンコセルカ症抑制プログラムへの資金提供を承認したのは1996年で、このときは交付金として総額206万3,400米ドルが承認され、カーター・センター(TCC)、Sightsavers、Helen Keller International(HKI:ヘレン・ケラー国際財団)、国際眼科基金(IEF)の各組織へ分配しました。視力ファーストは1999年以来、河川盲目症撲滅活動の中心的存在であるカーター・センター(TCC)と緊密に連携して活動してきました。

NGO、各国の健康省庁、政府、民間企業、国連機関などによる効果的なコラボレーションが成果を上げつつあります。コロンビアとエクアドルは、予防、治療、及び健康教育を通じて河川盲目症を世界で初めて根絶した国々のうちの2か国です。アフリカで最近実施された調査では、一部の地域で根絶が実現可能であることを示す初めての証拠が示されました。河川盲目症撲滅活動のこのような進歩によって失明を予防できるだけでなく、肥沃な土地を人々の手に戻し、地域経済を復興することもできます。

河川盲目症の撲滅に近づく一歩
河川盲目症の伝染は、ナイジェリアのプラトー州とナサラワ州で食い止められ、河川盲目症が風土病として最も広まっている国を、明るい未来の可能性に導いています。さらに、世界保健機関は、LCIFの支援のもと、2013年にコロンビアが、そして2014年にエクアドル、2015年にメキシコ、2016年にグアテマラがそれぞれ、河川盲目症の撲滅に成功したことを確認しました。

今日までに、LCIFは約4,500万米ドル(うち2,800万米ドルはTCCとのパートナーシップを通じて)の交付金を世界中での河川盲目症との闘いに提供しています。

TCCは、元米国大統領(ライオン会員でもある)ジミー・カーター氏とロザリン・カーター元大統領夫人が創立しました。平和の追求、病との闘い、希望を育てることを目標とした組織です。LCIFは我々の交付金により2億9,300万件のメクザチンによる治療(うち2億1,800万件はTCCとのパートナーシップを通じて)を行いました。

ライオンズを支援する。人類に奉仕する。希望を与える。
河川盲目症によってもたらされた痛み、変形、失明は、予防することが可能です。TCCとLCIFとのパートナーシップと、メルク社のような大手製薬会社からの寄付によって、世界規模での河川盲目症の撲滅の目途が立つのもすぐかもしれません。

約75パーセントの視力障碍は、多くの場合ほんの数ドルで予防や治療が可能です。LCIFは我々の財団が4半世紀以上支援してきた、回避できる失明を世界中からなくす、という取り組みを続けており、次のような努力が続けられるでしょう。

  • 3,000万人の視力を改善または回復
  • 眼科医療を受けられる人々を世界中で増やすため、4億1,500万ドルを拠出

LCIF の使命の詳細は、「キャンペーン100:奉仕に力を。」ページからご覧になれます。キャンペーン100は、交付金によってこのようなストーリーを実現します。

以下のボタンをクリックすると、世界中での感染による失明の撲滅、回避可能な失明や視覚障碍の削減、そして全般的な生活の質を改善するための取り組みの詳細がご覧になれます。

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ビル・ハツォスは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)のシニアマーケティングスペシャリストです。