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何がどう変わるのか
(ライオンズクラブ国際協会長期計画委員会への報告書/選択的未来研究所/1987年12月)

6. 勧告
6-1. 組織上の勧告


選択的未来研究所(IAF)のこれまでの研究の成果として、順応力と革新力のある法人体は、次の特性を持っていることが確認された。これらの特性は、環境を変革する勢力に柔軟に対応し得る進歩的なライオンズ組織体にも、当てはまるべきものである。

順応性のある組織体の特徴:ライオンズにとってのその意味

    A. 戦略的先見性:ライオンズは、未来の課題とその意味、団体としての力と目的を比較検討した上で、その組織がどんな「仕事」をしようとするのかを明確に自覚しなければならない。戦略的先見性は、見聞が広く熱心で前向きに考えることの出来る指導層によってもたらされる。
    B. 明確な目標:ライオンズの目標は、会員の各層に渡って広く理解され、受け入れられなければならない。
    C. 周囲の状況をよく把握する:変化に遅れをとらないよう、ライオンズは変化をよく読まなければならない。
    D. 万一の場合を考える:未来に起こり得る一連の出来事だけにとらわれず、ライオンズはその組織に影響を与えるかもしれない諸条件を幅広く考慮すべきである。
    E. 引き締まった分散構造:ライオンズは時に応じて素早く決断を下すことが出来なくてはならない。そのために、例えば新しい緊急事態に備える臨時体制を取る用意が必要である。
    F. 率直な対話:ライオンズ役員と協会職員は、自由に話し合いが出来なければならない。専門家が情報技術を使う時のように、恭順的態度を求めないという意味である。
    G. 学際的編成:ライオンズはその事業を進めてゆくうえで、幅広い専門知識と展望を活用すべきである。
    H. 新しい提案や新機軸にこたえる:個人やクラブの新しい動きに対し、その奨励と関心を持っていることをライオンズは何らかの形で伝えるべきである。
    I. 継続的啓蒙:クラブ会員は、ライオンズクラブ国際協会(LCI)が当面している重要問題について、その傾向と将来の見通しを繰り返し知らせるべきである。
    J. 誇りと楽観、そして高い価値基準の培養:ライオニズムの「古い」価値観は、これからの世代のために作り直されねばならない。
    以下の勧告によって、ライオンズはこうした革新的な性格を持つべきであろう。

組織上の勧告 1
「地球の未来」の研究を継続することを固く誓い、国際的に独自の組織網を作り上げて、会員たちに地球社会におけるその役割と責任を認識させる。

実行戦略:

  • 会員各国が何を必要としているか、世界的な「状況調査」に着手し、視力保護のようなライオンズクラブ国際協会の主要な保健活動から青少年の職業訓練などの主要社会奉仕まで手掛ける。ライオンズクラブ国際協会が達成し得るような画期的な例を他の団体から学ぶ。例えばメソジスト協議会は世界各地の特別調査団を編成して、5年間の調査計画を実行しようとしている。その目的は、2000年までにメソジストとして人道的に最も大きく貢献し得る重要課題は何かを探り出すことである。
  • 『ライオン誌』の公式規格として「地球の未来」を取り上げ、全世界に普及する。会員各国から定期的に動向情報を集め、またそれを各国に流す。
    7各国のライオンズ指導者たちに、幅広い未来志向を取り入れるように求める。例えば多くの国が行ってきた「2000年の地球」に関する研究は、ライオンズにそれぞれの国及び地域の巨大な潮流に関与する機会と、これらの目標と軌を一にしたライオンズクラブ国際協会独自の事業の開発を促すものである。
  • 地区ガバナーのための自修教室を開設し、戦略計画と動向分析の必要を学んでもらう。世界各地で起きている奉仕対象の変化がどんなものか、それを知らせるビデオ、スライドなどの制作を検討する。
  • 「ライオンの輪」という計画を正式に発足させ、各クラブが世界の他のクラブと提携を結ぶように進めることを考慮する。

組織上の勧告 2
「ボランタリー奉仕団体の未来」についての国際的な会合を企画する。このような行事が実現すれば、社会奉仕に真剣に取り組み、創意に豊んだ前向き志向のライオンズという評価を得る。そうした行動はまた、パレードとお祭り騒ぎという大会の固定観念をうち破ることにも、大いに役に立つ(大会が知識を得るための場としての用を果たしていないことは、大会の全時間のうちセミナーが開かれるのは9.3%に過ぎないことからも明らかである)。

実行戦略:

  • ロータリー、キワニス、JCからも、その国際的な指導者を代表として招く。その他、国際的な開発に関する専門家、財団理事、政府の政策立案者にも参加を求め、こうした団体のこれからの役割を討議してもらうことも考えられる。社会奉仕団体がこぞって力を合わせれば、大きな影響力を持つ国際的な期間、例えば世界銀行やAID、WHOの首脳たちの参加もあり得よう。

組織上の勧告 3
女性をライオンズの戦列に加える運動を起こす。ライオンズたる者、今や口先だけで自分たちの中の女性差別撤廃を唱えていてはならない。ことに女性はその熱意と能力の面で、衰退するアメリカ会員を補充して余りある存在でもある。

実行戦略:

  • 著名な女性指導者によるライオネス特別調査団を作り、LCIの指導者と協力して協会組織の中で最も会員増強の著しい現在のライオネスたちを、どのようにしてライオニズムの構造の中に組み入れるかを研究してもらう。
  • アメリカとカナダを「主唱国」として、女性たちを完全な資格を持つ会員として積極的に招請することを考えよう。新会員獲得の「目標」を立て、クラブの目標達成度を広報する。
  • こうした新しい婦人会員からなる調査団を北米各地に編成し、もっと多くの女性を迎える最善の方法を検討する。

組織上の勧告 4
アメリカの「ベビー・ブーム」世代の段階の中の最も活動的で高い教育を受けた人々に意識調査を行い、1)彼らはこれまでのライオニズムの業績の中で何に最も引かれ、反対に何に最も引かれなかったか、2)この報告書による勧告その他どんな変革を望んでいるのか、などを調べてみる。

実行戦略:

  • この調査は外部の専門家の意見を徴し、LCIの指導者が全面的に協力するように企画する。
  • 著名な世論調査期間に調査を依頼し、その結果が広く注目を浴びるように試みる。
  • アメリカでの調査が有益であることが分かれば、他の会員増加が鈍化している国や地域でも調査を続けることを考慮する。

組織上の勧告 5
ライオンズクラブ国際財団(LCIF)の活動報告と運営構造を詳細に調べ、世界的な事業計画を指導するにふさわしい体質を持つかどうかを検討する。

1968年に創設されたLCIFは、緊急災害援助のほか世界各地の立派な事業を援助する資金を交付している。個々のクラブがライオニズムの名においてそれぞれの地域に奉仕することから、大きな満足感を得ることは間違いないことである。だが同時に、ある面接調査を受けた人が言っていたように、LCIFは「眠れる巨人」であると信じるライオンズも存在する。もしそれが覚醒すれば、ライオンズを未来に運ぶ確かな指導力を発揮してくれるのかもしれない。

だからこそライオンズは今、LCIFの交付金認可が世界的な国際事業の先導的指導者の立場を確保するかどうかを、よく研究してみなければならない。更に言えば、現在のLCIFの140件に上る認可が、ライオンズクラブ国際協会の国際的な目標に最も合致するのかどうか、その範囲と規模のいかんについても再検討されるべきである。

組織上の勧告 6

ライオンズクラブ国際協会は米ソ関係の緩和を約束する最近のレーガン-ゴルバチョフ首脳会談を大いに活用すべきである。例えばキューバ、ハンガリー、中華人民共和国などに実験的なクラブを作ってみることは、地球社会と世界平和を真剣に追求するライオンズとしての立場を確かにするかもしれない。

組織上の勧告 7
緊急奉仕活動の内部手続きを作り上げ、経済的な「窮乏の時」に対応出来るようにしておく。

実行戦略:

  • 各地区及びクラブに「窮乏の時期」にどんなアクティビティが適切であるかを話し合ってみることを進め、その最善策を国際協会に報告させる。その提案は、1)地域社会への奉仕の方法と、2)ライオンズクラブの組織を使って自力及び相互援助を助成するために会員はどんな方法をとることが出来るか、を示さなければならない。
  • 大恐慌の間にライオンズクラブその他のボランタリー団体が行った奉仕活動で、何が最も有効であったかを明らかにする。
  • 経済的な加工が長引き、会員及び会費収入が減ってきた時に、現行の奉仕活動の中でどうしても続けてゆかなければならない重要なものは何か、を明らかにさせる。 

目次

1. 総括

2. 緒言

3. 地球社会の動向

4. 奉仕分野の動向

5. ライオンズクラブ会員:その課題と意味

6. 勧告

「21世紀を迎えるライオンズクラブ国際協会〜何がどう変わるのか」全文(PDF)ダウンロード