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何がどう変わるのか
(ライオンズクラブ国際協会長期計画委員会への報告書/選択的未来研究所/1987年12月)

5. ライオンズクラブ会員:その課題と意味

先のL・C・ウィリアムス・アンド・アソシエイツ社の報告と、世界各地の主要ライオンズ会員の最新の調査で見られるとおり、ライオンズクラブ国際協会(LCI)は会員減少の危機にある。この10年間、各クラブの成長は止まっており、ことに北米では会員は高齢化し、どちらかというと農業地帯に偏り、急速な世界の変化についてゆけない傾向が見られる。会員の減少を食い止め、下のグラフの「最悪のシナリオ」の状態になることを避けるには、LCIの指導者はライオンズクラブ会員の深刻な課題とその意味を考えて、良い機会としなければならない。

5-1. 課題
ライオンズは世界の地政学の鏡として、その変化を映し出し始めている。特にアメリカの会員が全世界の会員の中で少なくなりつつある(会員130万人の中の57万人)ことは、世界の中のアメリカの役割が独自の力を失ってきていることと歩調を合わせている。

その意味
ライオンズ会員が多様性を持つこと自体は、新しい世代の潜在的会員が入会を求めてくる大きな理由となるべきものである。アメリカ人以外の会員の増加は、ライオンズが世界の利益をより多く代表することになる機会である。ライオンズには、その会員に地域社会における役割を教育し、またこの組織を指導するより大きな役割をアメリカ人以外の会員に果たさせてゆく責任がある。この傾向を正当化するもう1つの大きな理由は、異文化間の相違を理解することに役立つことである。

5-2. 課題
発展途上国の間の富の不均衡は、ライオンズ各国が必要とするものを多様化させる。

その意味
会員の求める声を子細に聞き分けて、ライオンズは第一世界と第三世界の各国の間の関係を理解する専門技能を開発してゆくべきである。ライオンズクラブ国際協会はそうして、国際主義の代弁者として、またライオニズムの内外の教育者として、その立場を高めることが出来る。

5-3. 課題
平均的なライオン像は、北米の平均像と同じではない。アメリカ及びカナダでは、ニュージーランドやオーストラリアの国々も同様だが、大部分の農業地域の会員が都市化の大きな動向に対抗しようとしている。ウィリアムス・アンド・アソシエイツ社の調査によると、ライオンズの69%が農業地域に住んでいるが、その地域の人口はアメリカの26%、カナダの25%に過ぎない。したがってこれらのクラブの大多数は、未来の協会の活力源となるべき若い職業人に欠けている。更に北米のライオンズは、人種的にも年齢的にも隔絶した存在となっている。アメリカのライオンの年齢中位置は50歳だが、アメリカ男子のそれは30歳であり、カナダは43歳である。アメリカ人口の77%が白人であるのに対し、ライオンズの97%が白人である。アメリカでは各種民族が人口統計の中で次第に大きくなってきており、人口純増の25%を移民が占めている。現在アメリカの2億4,200万人の人口の12%が黒人、2.1%がアジア系、7.2%がラテン・アメリカ系で、少数民族の中でラテン・アメリカ系が最も大きく伸びている。

その意味
アメリカでは若い「ベビー・ブーム」世代と各人種の人々を引きつけるために、ライオンズは大都市地域に全く新しいクラブを結成することを考慮すべきである。既存のクラブとの衝突を避けるために、新しいクラブは、若い人々がその分野で組織的に活動しやすくなるような地域的、国際的な目的をまず定めて、作られるべきであろう。若干の元手と組織的な支援があれば、若い人々がライオンズに加わり、そのような奉仕を行う励みとなろう。

5-4. 課題
ベビー・ブーム世代が持つ価値観は、これからの会員として彼らが必要となるのだから、ある意味で社会奉仕クラブの今後の成長を計る物差として、十分に尊重されなければならない。例えば長老役員に過度の恭順を示したり、「交換ピン」やパレードの行進のような甚だしい会員の飾り物にこだわることは、若い職業人の持つ価値に必ずしもそぐわないであろう。

その意味
ライオンズの「儀礼と儀式」を全面的に再点検し、どの慣行が時代遅れか、あるいは少なくとも若い世代の変わりつつ願望に合致しないかを考慮してみる必要がある。

5-5. 課題
平等を求める女性の容赦ない行進と、男性のみのクラブを違憲とするアメリカ最高裁判所の判決にもかかわらず、ライオンズのような既存の「オールド・ボーイ」の中に女性が入ってゆくべきかどうか、それを望んでいるのかどうか、男も女も相反する意見を持っている。

その意味
北米ライオンズは、もしライオニズムを「徹底的に作り直」し、よみがえらせることを本気で考えているのなら、今こそ女性会員を引きつけるための運動に真剣に取り組まねばならない。最高裁の判決の前に立って、ライオンズは言葉ではなく行動で女性会員を支援すべきである。積極的に女性会員を招請することによって、必ずや女性会員を捜すふりをしている他の男性のみのクラブと、ライオンズははっきりとした一線を画することが出来る。

5-6. 課題
古くて伝統あるライオンズクラブは、変化とか若い世代の会員たちの持つ価値あるいはそれ以上のものを受け入れることを、不可能ではないとしても困難に感じるであろう。

その意味
各クラブで、世代の間を埋める努力が行われるべきである。若い世代の持つ価値と願望、どんな社会奉仕なら彼らの関心を引くことが出来るかを、古くからの会員たちにまず納得させねばならない。
 


目次

1. 総括

2. 緒言

3. 地球社会の動向

4. 奉仕分野の動向

5. ライオンズクラブ会員:その課題と意味

6. 勧告

「21世紀を迎えるライオンズクラブ国際協会〜何がどう変わるのか」全文(PDF)ダウンロード