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国際会長紹介

2011~2012年度国際会長
会員を家族のように受け入れる

7月、ウィンクン・タム氏がライオンズクラブ国際協会の第95代目国際会長に就任した。中国人が同協会の会長になるのは初めてのこと。中国・広州で生まれたタム氏は香港で教育を受け、この地で国際的な貨物会社を立ち上げ、家族を養ってきた。中国人であるということは、彼自身のアイデンティティにおいて不可欠な要素であるが、その人生の歩みは普遍的なものである。一生を左右する決断がタム氏を作り上げ、ひいてはライオンズにおいて最高位の役職へと導くこととなった。

20歳の時タム氏は、ビジネスの勉強のため、当時勤めていた会社からアメリカに派遣された。サンフランシスコで勉強を続け、数年後香港に戻った。「1年後に、人生で最も重要な決断を三つしました」とタム氏は語る。

決断1
1981年に自分の会社を立ち上げた。「自分にとって、香港人であるということは企業家となる血が生まれながらにして流れているということ。本当に良い収入を得たいのであれば自分で事業を起こさないといけません」とタム氏。今日、タム氏の運送会社には世界中に200人の従業員がいる。

決断2
1981年は、妻アイリーンとの結婚を決めた年でもあった。「とてもきれいで、とても優しい女性でした」とタム氏は語る。「私たちは意気投合しました。」二人は、アルビン、ティファニー、アンドリューの三人の子どもを授かった。タム氏の家族への愛情は、仕事への情熱、そして後のライオンズへの情熱を弱めたりはしなかった。

決断3
1981年、タム氏は仕事仲間の「L」の文字がついたラペルピンに気が付いた。「それは何ですか?」タム氏は尋ねた。「ライオンズのメンバーになれば社会的地位が高まるよ」と仲間は答えた。タム氏は入会することを決意。入会先クラブで最年少の会員となった。ちなみにそのクラブの会長は94歳だった。その会長からタム氏に与えられた最初の任務は、クラブがクルーズに連れていく高齢者へのプレゼントを準備すること。キャンディやその他のささやかなプレゼントを高齢者のために持っていった。「信じられないような反応でした」とタム氏は当時を思い起こす。高齢者の喜びようを会長に話した。「会長から言われました。高齢者にとって嬉しかったことは贈り物の値打ちではなく、私が彼らに愛情と思いやりを示したことだったのです。」

タム氏がライオンズ精神を理解するようになったのはその時だったとのこと。「恵まれない人々を助け、他の人々と喜びを分かち合うために自分たちがいるのだとわかり、信じました。クラブは私のことを家族の一員のように扱ってくれました。新会員の私はまるで赤ん坊のようだった新会員の私を、一人前になって他者のために尽くすことができるようになるまで面倒を見てくれたんです。」

まもなくタム氏はさらに大きなプロジェクトを手掛けた。その中には香港ライオンズがこれまでに取り組んだ最も大きなものもあった。タム氏のリーダーシップの下、ライオンズは200万米ドル以上を自然教育センターのために集めたのである。事業が成功するごとに、タム氏は仲間とともにいっそう大きな計画を練った。

何千人もが行進するパレードも行われるライオンズクラブの国際大会開催に対して関係当局から承認を得ることは容易いことではなかった。「ライオンズ大会とパレードを主催することをタム氏が提案した時は心配でした。なぜなら、そのようなことはそれまでやったことがありませんでしたからね」と当時香港警察のトップの一人だったベニー・ング氏は語る。「タム氏は自信を持っていました。香港で大会ができると。私は彼を信じました。そして、みんなも彼を信じたのです。大会は彼が正しかったことを見事に証明しました。」

こうしたことは始まりにすぎなかった。中国には白内障が原因で失明した人が何百万もいた。白内障に取り組む活動を始めるためにタム氏は他のライオンとともに、中国の関係当局との会議を重ねた。ほどなく試験的事業が承認され、ライオンズの資金援助を受けて行われた。そしてその後、520万人の視力回復という結果をもたらすことになる視力ファースト中国計画が実施されたのである。

タム氏が仕事とライオンズの奉仕事業に数多くの成功を収めた一方で、アイリーンが癌を患っていることが分かり、家族の生活はがらりと変わった。15年間タム氏は妻を慰め、方々の医者に連れていき、勇気づけて病気を克服できると信じさせた。いろいろな意味で癌が二人の絆を強めた。しかし、やがてアイリーンは病気との闘いに敗れた。

アイリーンの死後、タム氏は何も手に付かないまま家にこもり、悲嘆に暮れた毎日をニュースを見ながら過ごした。そうした時に、7万人の死者を出した2008年の中国・四川省での壊滅的な地震が起こった。打ちひしがれた家族を映し出したテレビの画像に目を覚まさせられたタム氏は、ライオンズの本部に電話で援助を求めた。中国のライオンズにも支援を呼びかけると、彼らはチームを成して、何時間も車を走らせ被災者の援助に駆けつけた。LCIFからは50万米ドルの大災害援助交付金が承認された。

「妻を亡くし、悲しみに暮れていました。でも私も力になれると信じました」とタム氏は語る。「父は援助資金や物資の調達に奔走しました」とタム氏の息子アンドリューさん。「母が亡くなってからは見ることのなかった父の目の輝きが戻ったんです。」タム氏はアイリーンの闘志の力を信じた。だからこそ、これまでの障壁を乗り越える力が自分にはあるのだと信じた。タム氏はライオンズと奉仕への夢を信じている。

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