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J・フランク・ムーアIII世


J・フランク・ムーアIII世国際会長の年次報告


 ベアール前国際会長、国際協会執行役員、国際理事の皆さん、優れた元国際会長の方々、ライオンズの仲間たち、ライオネスやレオ、それにご臨席の皆さん。私たちはこの1年間、力を合わせて多くの目標に向かって邁進する道を選んできました。それらの道は奉仕の幅を広げ、既に世界中のライオンズがそれらの目標を実行に移せる状況にあり、更にライオンズは会員以外の人々とも同じ目標に向かうことが出来るように啓蒙活動を行っています。この1年間、私は国際会長として奉仕する機会を持つことが出来ました。こうした名誉を与えてくださった皆さんに心からお礼を申し上げます。

 昨年のインディアナポリス国際大会を出発点として、共に道に明かりをともして歩み始めたとき、私たちは目標を達成し、我がライオンズクラブの名声を世界中の各地域で強化するという意気込みと、将来への明るい展望を持っていました。本日、私たちが「ウィ・サーブ」というモットーをもってさまざまな挑戦をし、いかに成功を収めてきたかをご報告出来ることに大きな誇りと喜びを感じておりますが、一方でこの1年間にライオンズが歩まざるを得なかったもう一つの道──悲劇と恐怖から生まれた道──のことも考えないわけにはいきません。しかし、アメリカばかりでなく全世界の、2001年9月11日の攻撃に対する対応は、私たちすべてを結びつける共通の絆、人々の善意と誠実さを立証するものとなりました。

 9月11日の苦しみはたいへんなものでしたが、この恐ろしい出来事一つをとっても、人道的活動における世界のリーダーであるライオンズクラブが、試練に直面したとき何が出来るかが立証されました。20複合地区(ニューヨーク州)のライオンたちは世界貿易センタービルで悲劇が発生した直後に救援活動を開始し、いち早く現場へ急行しました。同様に国防総省への攻撃が行われると、周辺地域のライオンたちは犠牲者のためにあらゆる支援が出来るよう態勢を整えました。LCIFは直ちに10万ドルの緊急援助を発表し、「世界貿易センター被害者救援資金」を設置しました。最新の報告によると、これまでに世界中のライオンズクラブが合計300万ドル以上の寄付を実行、あるいは約束しています。中でも日本の熱心なライオンたちからの寄付金は約100万ドルにも達しております。日本ライオンズは、親切心そしてこのような言語に絶するテロ行為を克服する人道主義への忠誠心によって特に称賛されるべきであります。

 ライオンズは今もこの犠牲者を支援する道を歩み続けています。例えば、9月11日に親を失った子供たちを対象に、2つの特別サマーキャンプが開催されます。一つはニューヨーク州で、もう一つはメーン州で開催される予定で、LCIFがこれらキャンプの資金調達を支援しました。テロ攻撃が何の罪もない人々にもたらした苦しみを考えると、これほど悲しいことはありませんが、一方では人類全体が分かち合うべき善意ある活動に世界中のライオンズがどのように向き合っているかを知るにつけて、私はライオンズクラブの会員であり国際協会の役員であることを心から誇りに思うのです。

 当協会はこの1年間にもう一つの大きな悲しみに見舞われました。それは3人の現職国際理事が亡くなられたことです。かつてフランクリン・D・ルーズベルト大統領が亡くなられたときに、アメリカの著名な作家でありラジオ解説者であったウォルター・リップマンは、『リーダーとしての最終的な評価は、後世に残った者が故人の遺志を継ごうとするか、その信念と意欲によって決まる』と言いました。ライオンの皆さん、国際理事であったラリー・G・シュロット、アーサー・ラザローそして団忠夫各氏は間違いなく私たち全員に信念を植え付けました。3人の理事は国際協会に対して最高の才能を捧げました。彼らは永遠に私たちの記憶に残るでしょう。

 マタイによる福音書第5章14‐15に『汝らは世の光なり。丘の上にある町は、夜になって皆が見えるように光り輝く。汝らの光を隠すなかれ。皆のために光り輝け。汝らの善行を皆が見えるように輝かせ……汝らの聖なる父に栄光を与えよ』とあります。

 世界のライオンズは誇りを持って奉仕という明かりを高く掲げ、寛容という油で明るく燃やしています。この1年間に世界中を旅し、私はライオンズクラブによる人道的奉仕の輝かしい事例を間近に見てきました。ライオンズはさまざまな方法で人々のニーズに対応しています。妻のリタと私は合計51の国やアメリカの州を訪問して、ライオンズが地域社会における極めて重要なニーズに対応しているだけでなく、将来はもっと重要な奉仕を行えるように新しい目標に向かう姿を実際に見ることが出来ました。このような積極的な取り組みは、私がこの1年間にお会いした行政機関の指導者たちによっても十分に裏付けられました。皆一様にライオンズとその奉仕内容について最高の賛美を贈っていました。私は世界のライオンズを代表して、そうした会合で人道的奉仕に対し感謝されることに大きな誇りを感じました。

 ライオンズの皆さんたちは間違いなく世の光です。夜空に光り輝く丘の上の町です。皆さんはライオンズクラブ国際協会の第一の目的で述べられている「世界の人びとの間に平和と相互理解の精神をつちかい発展させる」ための最大の力です。

 2001-02年度を特別な年度とするような事例がたくさんありました。私が出席した地域フォーラムは、各地のライオンズクラブが地域社会及び世界の人々のニーズに対応しライオニズムを強化する道に明かりをともす約束をしていることを立証しました。世界中のレオたちとの会合では、レオとライオンズクラブ及び地区の在り方について深い洞察を得ることが出来ました。

 9月11日の悲劇の現場から数ブロックしか離れていない所で行われた3月の国連ライオンズ・デーも、世界中の人々が人道的奉仕活動の向上という共通の目的に参加する準備があることを立証しました。ライオン、ライオネス、レオたち500人以上が参加したこのイベントでは、国際平和ポスター・コンテストのグランプリ受賞者である香港のヘイ・マン・ラウさん(13歳)の表彰も行いました。ライオンズ世界視力デーも視力保護の推進で大きな成功を収めており、私はブラジルのサンパウロとサンジョゼ・ドス・カンポスでの大規模なプロジェクトに参加する栄誉に浴しました。私はメキシコのチアパスにおける視力検査と眼鏡の配布にも参加し、現地の行政機関の人々と常設の眼科医院を設置することで合意しました。これらは私自身が参加して感銘を受けた事例に過ぎず、世界のライオンズはこの1年にもっとずっと多くの成果を挙げているのです。

 この1年間、私はライオンズに対し、多くの道に明かりをともすようにお願いしましたが、そのうち最も重要なものの一つは会員増強への道でした。今年は103,000人以上の新会員を獲得し、4月30日現在の合計会員数は1,378,651人となりました。今年度の最終会員数が分かった段階で、会員増強あるいはエクステンションに大きな成功を収めたライオンズクラブへ特別賞が授与されます。国際理事会のメンバーは、この問題に関する皆さんの成果を私がどんなに誇りに思っているかよく知っています。オークブルックで行われた11月の理事会で、私は「会員増強のために自ら奮闘せよ」という私の呼び掛けにこたえてくれたライオンたちを表彰する光栄に浴しました。国際理事会も、理事が個人的に100人以上の新規会員のスポンサーになるという責任を果たして、年間会員増強賞を授与されました。更に、私は「リテンション・キャンペーン」を実行してくださった地区ガバナー、クラブ会長及びライオンズの皆さんの貢献をたいへん誇りに思っております。会員維持は新会員の獲得と同様に重要であり、今年度はこれまでの年度と比較して11,000人以上の会員を維持することが出来ました。リテンション・プログラムはよく機能しており、これからの年度でも引き続き役立つことでしょう。

 今年度には最終的に世界中で683の新しいライオンズクラブに認証状が発行され、合計クラブ数は44,675となりました。また現在のところ支部クラブは255、新世紀クラブは68、学内クラブは68あります。

 既にご承知のように、5月に中国本土で初のライオンズクラブが2クラブ誕生するという極めて重要な出来事がありました。それは広東省に結成された広東ライオンズクラブと深せんライオンズクラブです。ライオンズクラブは中国本土で認可された最初の奉仕団体組織であります。これらクラブの設置は、中国政府が発行し首相が署名した行政命令によって達成されました。世界の盲人の5分の1は中国本土に住んでいるという事実に注目し、国際協会とLCIFは引き続き中国政府と共同で視力保護と視力回復のために努力していきます。

 中国本土及び今年初めのアンゴラ共和国とモルドバ共和国の参加により、現在、ライオンズクラブは189の国及び領域に設置されています。

 今年度は青少年のための道に明かりをともす活動も時と共に弾みがつき、理事会は今年度を「国際協会青少年の年」としました。この機に、青少年関連の多数の新しい賞が設けられました。

 最新報告によると、1,104個の「青少年のための道に明かりを」バナー・パッチが、新しい青少年活動を開始したり、あるいは既存の青少年活動を大幅に拡大したライオンズクラブに授与されています。今年度は明日のリーダーである青少年の地域活動への自主的な参加を奨励するために、2つの賞が追加されました。「ライオンズ奉仕における若い指導者アワード」は50時間または100時間の社会奉仕活動を終了した12〜18歳の青少年に授与されます。合計1,600件の「ライオンズ奉仕における若い指導者アワード」キットが各ライオンズクラブへ支給され、今のところ合計204,308時間以上の社会奉仕活動が報告されています。これまでにゴールド・シール賞1,172件及びシルバー・シール賞434件の賞状が贈られていることを報告申し上げます。地区及び複合地区が授与する「21世紀の若い大使アワード」は、地域社会の公共奉仕、指導力、弁論術、学業で優れている15〜19歳の青少年を表彰します。合計281件の案内書が各地のライオンズクラブへ送付されています。

 レオクラブは、青少年が社会奉仕活動へ参加し、持続的なボランティア精神を生み出す機会を与える、世界で最も活気ある道の一つとなっています。現在は142,000人以上のレオたちが137カ国、5,678のクラブで奉仕活動をしています。この計画の重要性を更に高めるために、今回の大阪国際大会では国際レオ・フォーラムが開催されています。青少年を対象とするこの世界規模の活動が更に強化されることは間違いありません。

 世界規模の奉仕活動への道は、ライオンズ会員がLCIFへ提供する善意の支援を通じて更に明るく照らされています。最新報告によると、今年度LCIFへは約2,000万ドルが寄付されており、これは前年同期より12%多く、ほかの基金への寄付が減少している中での増加であります。「メルビン・ジョンズ・フェロー(MJF)」は依然として着実な拡大を続けており、LCIFの最大の資金源となっています。今年3月には20万人目のMJFが誕生し、今大会の第3回総会(金曜日)で表彰されることになっています。今年度は7,622人の新しいフェローが加わり、5月1日現在の合計数は203,024人となりました。新規のフェローは前年同期より455人多くなっています。

 LCIFの主要な目的の一つは、自然災害への迅速な対応です。7月1日以来、地震、洪水、暴風雨などの自然災害の犠牲者を支援するために117件・合計115万ドルの緊急援助金が交付されています。「オープニング・アイ/スペシャル・オリンピック・パートナーシップ」の初年度に、LCIFは世界中で行われた34回のスペシャル・オリンピックで検眼を行いました。また「ハビタット・フォー・ヒューマニティー」との協力で、LCIFは身体障害者用家屋の建設に300万ドルの追加資金を約束しました。この協力事業が始まった1999年以来、412棟の家屋が建築済みまたは建築許可取得となっています。

「視力ファースト・プログラム」の予防あるいは回復可能な失明絶滅の努力は、新たな盛り上がりを見せています。最も野心的な計画の一つは、当然のことながら「視力ファースト中国実行計画」です。175万件の白内障手術を行うという当初の目標を軽くオーバーして、その数は250万件に達しています。また中国本土の遠隔地に104の眼科医院を設置し、12,000人の眼科医と診療補助者を育成し、また260の医療チームを派遣しました。この活動が非常に成果を挙げたため、LCIFと中国政府は計画を5年間延長して、第二段階として追加250万件の白内障手術を行い、更に多くの医療チームを作りだし、より多くの医療関係者を育成することを目標としました。

 今年度は小児失明予防計画を開始するために、375万ドルの視力ファースト資金を世界保健機関へ寄付しました。この資金は主として発展途上国における幼児期眼病を診察し治療する医師や保健専門家を養成するセンター・オブ・エクセレンスを25カ所設置するのに使われます。環太平洋地域を担当するジョンソン& ジョンソン視力ケア社はこの計画の一助として適切な視力検査を行うために3年間に60万ドルの拠出を約束したという嬉しいニュースがあります。更にジョンソン& ジョンソン本社もこれに合わせて初年度に20万ドルを拠出する予定です。

 そうです。私たちのともす明かりは世界の人々のために明るく燃えています。私たちは河川失明症とトラコーマを予防するためにカーター・センターとの共同作業を続けています。視力ファースト資金が交付された地域では、人々の生活水準が大幅に向上し、生産的な未来への新しい希望が生まれました。

 私たちの新しい指導者のための道も、ライオンズクラブの長期的な成功を確実にするために明かりをともすべきもう一つの道です。リーダーシップ研究会の新しいカリキュラムは、全世界で実行出来るように各地域の文化に合わせて適応化されています。また、今年度のガバナー・エレクト・セミナーでも新しい方法が立案されました。私たちのすべての指導力育成プログラムでは、前向きな姿勢を助長し、国際協会の主要プログラムへの理解を深める方法が用いられています。

 2001-02年には、新しいライオン指導者を対象に12のリーダーシップ研究会が開催されました。14の複合地区における地域別研究会及び今年のMERLセミナーと合わせると、1,600人を越えるライオンたちが国際レベルの質の高い訓練を受けました。皆さんは会員維持・増強のためには、効果的な指導力が鍵となることはご承知のことと思います。新しい指導者ための道に明かりをともすことは、会員維持・増強、奉仕プロジェクト、LCIF、そしてクラブや地区が行う訓練といった一連の活動と不可分の関係だとお考えください。

 ライオンの皆さん、市民が自分の地域社会内にあるライオンズクラブ並びに国際協会全体の成果と目標について知り、また理解することがいかに重要なことかは、お分かりでしょう。このため、私は今年各クラブに対して一般市民の認識高揚の道に明かりをともすように要請しました。これは地方レベルでは特に重要です。すべてのライオンズクラブが報道機関と良好な関係を結び、地域社会への奉仕活動の情報が逐一市民へ提供されるようにすれば、この道に明かりがともることになります。

 各クラブ、地区、複合地区が広報活動を改善出来るようにするために、国際理事会は広報関係の資金を使ってPR活動を支援する計画を承認しました。全世界で、ライオンズクラブの活動に関するニュースは延べ70億を超える人々の目や耳に達しており、各クラブと国際本部PRチームとの協力により、世界中で3,000以上の新聞、500以上のテレビ番組、4,000以上のラジオ番組に取り上げられ(過去最大)、またホームページへのアクセスも盛んに行われております。ライオンズ世界視力デーに関するメディアの取材は、ブラジルのサンパウロとサンジョセ・ドス・カンポスにおける主要な計画だけでなく、イギリス、フランス、オーストラリア、ニュージーランドにおける計画についても取材が行われました。これはまさにライオンズクラブにとって「世界的な」視力デーでした。

 報告を終わるに当たってライオンズクラブ創設者メルビン・ジョンズの言葉を引用させて頂きます。彼はかつて「ライオンズクラブがその目標を達成するためには、万全の計画を持たなければならない。世界の問題、国内の問題、自分の属する地域社会のニーズ、及び個々の隣人たちの福祉に関心を持たなければならない」と述べました。会員増強の努力は続けつつも、最大の挑戦は人々をライオニズムの中に引き込むことではなく、ライオニズムを人々の心と精神の中に植え込むことであるという点を忘れないようにしましょう。

 2001-02年度に国際理事会が実施した計画は、将来ライオンズクラブのイメージを更に高める、より多くの道に明かりをともすことになるでしょう。今年度国際会長に指名され、優秀で献身的な地区ガバナー、キャビネット、クラブ役員、本部スタッフの皆さんと一緒に働けたことは、私の無上の名誉であり喜びでありました。創設以来80年以上に及ぶ人道的ニーズへの献身的な対応を更に拡大し、更に大きな財団を作り出そうと善意の時間と才能を提供してくださったのは、ライオンの皆さんにほかなりません。力を合わせて、絶望の影におびえる人々に奉仕し、世界中の人々の生活を明るくするための道に明かりをともし続けようではありませんか。



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